新刊『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』(東邦出版)を出版された田端到さんと5月26日発売の単行本『競馬研究所2』で対談を行いました。宣伝のために、対談内容の一部を掲載いたします。
亀谷敬正(以下、亀) 今回は師匠、田端到さんをお呼びしています。よろしくお願いします。
田端到(以下、田) 師匠って(笑)
亀谷 田端さんはこの春に新刊『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』(東邦出版)という本を出版されましたけど、シリーズ前作から約3年ですか。本を書かれていて、種牡馬の傾向とか変わっていましたか?
田 変わったよね。中山と中京がいちばん変わったかな。
亀 ですよね!
田 個人的には中山が変わったのがいちばん痛い。馬券が難しくなっちゃった。簡単に言うと、たとえば中山の芝1600はハイペースになりやすいコースで、他場のスローの芝1600とは全然つながらないコースだったのに、ここ1、2年で中山の差しが決まるようになってしまい、その結果、スローのペースが増えた。
亀 たまに昔の中山っぽい傾向になるんですけどね。
田 そうそう。だから以前のイメージのままでいいのか、根本的にイメージを変えなきゃいけないのか、考えてるとわからなくなっちゃうんだよね。中山の傾向が変わったのは、亀谷くんも意識している?
亀 もちろんです。今の中山は、ちょうどジェンティルドンナが勝った2014年の年末から、新しい路盤になったんです。有馬はジェンティルドンナみたいな、いわゆる東京の直線でスピードを発揮するタイプが走りづらい競馬場だったんですけどね。
田 そうだよね。だから、中山向きの馬を東京で消す。逆に東京でスピード負けした馬を中山で買うのが馬券のスタイルだった
亀 ですよね。ところが、今の中山は、3コーナーから直線部分にコースの地下に暗渠、要は配水管を設置してからなんですけど、路盤改修と暗渠を設置したことで馬場が以前とはまったく変わってしまった。3コーナーから直線が時計の出やすくなり、末脚のスピードが出やすいレースパターンが増えた。
田 そうなんだよなぁ。上がりのタイムがてきめんに速くなった。
亀 路盤の話題が出たので、各競馬場の路盤の特徴を言いますが……
(続きは単行本『競馬研究所2』でお楽しみください)
亀 さて、今回の本の本題は「危険な人気馬」なんですけど?
田 そう聞いて「コース別の危ない人気馬の血統」というテーマでデータを取ってきたんだけど、種牡馬○○○(単行本でお楽しみください)の極端さが面白い。
亀 さすが(笑)。○○○はわかりやすそう。
田 1番人気の○○○がもっとも成績がいいのは京都なんだけど、連対率が70%を超えているのにびっくりして。
亀 そんなに高かったですか。たしかに○○○は不器用だから、1番人気に推されるくらいの能力があれば、広いコースのほうがまぎれがないので、ちゃんと走ってくるんですよね。
田 そうだね。○○○は馬群の外を伸び伸び加速させるレースが得意だから、京都のように広くて、マクリも利くコースの1番人気は安定している。反対に、それができないコースでは一気に信頼度が落ちる。「多頭数の内枠」のように「窮屈」な状況だと、1人気は危ないね。
亀 そうなんですよ。基本的に不器用な種牡馬ですからね。12頭立て以上のレースで1、2番枠に入ると、1人気で11回中2回しか勝ったことがないですから。しかも1番人気限定での話ですからね。1番人気で連対率28%って悪いですよね。
田 それは酷いね。逆に外枠はどう?
亀 めちゃくちゃ走ってます。ほぼ来てますよ。○○○の7枠、8枠はすごい成績ですよ。阪神でも1番人気の○○○は内回りはダメで、外回りがいいですね。
田 絵に描いたような不器用さだね。「外を回る競馬しかできない馬が多い血統」という視点はすごく大事。昔ならトニービンがそうだった。
亀 人気によって状況が変わるというのはありますよね。人気薄なら内枠もいいんですよ。3回に2回不発でも、1回スコーン! ってハマれば数字が上がるから。確率の問題だけじゃなく人気って「過去実績、能力の立場」も示しますよね。だから、実力上位の状況で出るチャンピオン的な立場で出る状況と、チャレンジャーの状況は違いますから。あるいは、能力を隠している状況とか。あと「脚が遅いからダートにも出てくる血統」は、内枠引いたらことごとく消えますよ。○○○血統って、砂を被る競馬で選別された血統じゃないですからね。だからダートの内枠は向いていない…
(続きは単行本『競馬研究所2』でお楽しみください)
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