凱旋門賞

凱旋門賞スペシャル企画として、血統評論家・栗山求と亀谷敬正のスペシャル“雑談”が実現いたしました。外国馬で血統適性が高いのはどの馬なのか? そして日本馬の勝算はあるのか? ジックリご覧ください。


亀谷敬正(以降 亀) 凱旋門賞って、日本でいえば「春の天皇賞」とか「有馬記念」に近いですよね。ディープインパクト産駒はすでにダービーを複数の産駒が勝っています。しかし、今のところ、春の天皇賞、有馬記念を勝っていない。同じように、欧州のディープインパクトともいえる、ガリレオの産駒は凱旋門賞を勝っていない。凱旋門賞は、日本の天皇賞春や有馬記念同様「賞金の高いローカルレース」という感じ。

栗山求(以降 栗) そうですね。今の欧州は2000mが主流です。この前引退したキングマンとかフランケルとかマイルから2000mの馬がもの凄く評価が高いんですよ。だから2400mを勝つと、種牡馬としてはスピード不足と見られる。凱旋門賞は、有力馬の回避が多いのは「勝ってしまうと種牡馬価値が下がってしまう」っていう側面もあるんですよね。

 たしかに、日本で天皇賞春と有馬記念を勝って、JC、天皇賞秋は負けちゃうような馬は、種牡馬としてスピード不足と思うもんなぁ。そういえば、世界のセリで馬を買っている友人が、某フランスの大調教師にこんなこと言われたんですって『なんで、日本人はあんなに凱旋門賞勝ちたいの? ローカルレースだよ?』と。たとえば、某国の馬が天皇賞春を勝って「我が国の○○が日本を制した!」と言われても…って感じになりますものね。もちろん、凱旋門賞も天皇賞春も権威あるレースには違いないですが。

 そうですね。有馬記念もメルボルンCも凱旋門賞も勝った場合の血統的価値は別として、お祭りとしては素晴らしい。

 あくまで、凱旋門賞馬は血統的に見るとローカルになってしまうだけですから、勝つことは名誉なことですよね。「天皇賞春」がディープインパクト産駒ではなく、サンデー系の中でもステイゴールドやミスキャスト、マンハッタンカフェ産駒が勝ってしまう。凱旋門賞もサドラーズウェルズ系やダンチヒ系のなかでも、ガリレオのようなバリバリのリーディングじゃなく、少しローカル風味が入った産駒に相性が良いレースではあります。

 あとは、ドイツの血も少しポイントかな。

 では、今年の出走馬で凱旋門賞に合いそうな血統を分析していきましょう。まずはタグルーダ(※血統表)。父シーザスターズ、母系にサドラーズウェルズ、ミルリーフ系のダルシャーン。サドラー×ミルリーフは欧州のニックスです。欧州では、たいていの馬に入っています。日本では両方持つ馬は、ほとんどいないんですが。

 そうですね。ダルシャーンはステイヤーなんですけど、欧州ではそこそこ切れる脚を使えるタイプです。

 日本でダルシャーン産駒っていたかな。キュンティアは(97年阪神3歳牝馬S。現在の阪神JFで2着)ダルシャーンでした。あの時の阪神は内回りで時計も1分36秒台。ダルシャーンは、今の日本じゃ、競走馬としては通用しづらい父系ですね。

栗 アガカーン(欧州の大馬主、近年の凱旋門賞もザルカヴァ、シンダーなどで勝利)がダルシャーン大好きなんですよ。偏愛してるというか。

 ただ、ダルシャーンの血を持った、超一流の繁殖は日本には入ってきてないですよね。アガカーンをはじめ、向こうの本当の大金持ちは、超一流の牝系は手放さないから。

 まぁ本当のトップの方は入っていないですかね。父がダルシャーン系だとコンデュイットが種牡馬になっていますけど。

 これも母父がサドラーズウェルズ。欧州のニックス配合です。やっぱ、この組み合わせは欧州では強い。コンデュイット牝馬が繁殖になったら母父にミルリーフが入ります。欧州では成功しやすいパターンの繁殖牝馬になりそうなものですが、日本でも走りますかね?

 父としてはスピード不足ですけど母系に入れば、可能性もあります。

 ミルリーフの血を日本で活かすには、日本向きのスピードの血を入れないと、やっぱ厳しいでしょうね。

 そうですね。日本の基準ではサドラー×ミルリーフではスピードが相当足りないので。あとはサンデー系とかミスプロ系をどのように組み込んでいくかというところですね。

 結局、欧州に適した配合バランスと日本向きの配合バランスはぜんぜん違うんですよね。特に凱旋門賞ともなれば、欧州の天皇賞春みたいなレースですから、日本の主流レースに適した血統とは全然違ってくる。だから、日本の主流レースを勝てる馬が、凱旋門賞を勝つということは、もの凄くレベルが高い馬ということを証明することにはなりますよね。

 タグルーダの父はシーザスターズ。今年の3歳が初年度産駒です。日本では、今年ウオッカの初仔(ボラーレ)がシーザスターズ産駒でした。世界的に見て、シーザスターズの産駒はどうですか?

 タグルーダ、シーザムーンと大物は出しましたが、良い繁殖牝馬に恵まれていたわりに、アベレージは案外で、兄のガリレオほどの確実性は今のところありません。まぁ評価をするのはあと2世代ぐらいみてみないと。

 日本でいえば、コンスタントに勝ち上がるディープインパクトというよりも、一発当たればデカい、ステイゴールドに近いですか?

 そうですねぇ、活躍馬は少ないですが、英オークスと独ダービーは勝っていますから、それなりのものは伝えていると思いますよ。ただ、大物というのは常に出てくるわけではないですから。初年度の繁殖レベルで大物を2頭出しましたが、3年目、4年目と交配相手の水準が下がってきたときにどれだけ踏ん張れるかですね。

 打率は低いが、ホームランは打ってるわけですね。やっぱシーザスターズの子は日本では厳しいですか?

 日本では難しいと思いますけどねぇ。そもそもシーザスターズの父Cape Crossの産駒も走ってないですから。スピードが足りません。

 Cape Crossはロジユニヴァースの母父でしたね。あの馬もダービーは道悪でした。

 Cape Crossは、向こうではマイラーでスピード血統なんですが。

 日本では馬力勝負専門の血統になってしまう。ウィジャボードは頑張ってましたけど。

 ディープインパクトの勝ったジャパンカップで3着に走りましたが、あれは牝馬でした。

 牝馬なら、日本でもまだなんとかなるかもしれませんね。同じダンチヒ系だとデインヒルも日本でG1を勝ったファインモーションが牝馬ですよね。デインヒルは日本だと父系に入ると馬力に寄り過ぎて、スピードが足りない。

 パワーが空回りしてしまいます。デインヒルっていうのは、日本と馬場が比較的近いであろう、オーストラリアでは主流血統ですけどね。馬場の違いというのは微妙なところですよ。

 デインヒルも母系に入ると日本でもいいんですけどね。母系に回ると、空回りしていたパワーが発揮できるので。血統や馬場の話などは、また別の機会で詳しくお話するとして、そろそろタグルーダの評価をお願いします。

 タグルーダは前走で牝馬相手に負けてしまって、キングジョージも案外レベルが低かったんじゃないかという見方ができます。2着のテレスコープが大した馬じゃないですからね。G2、G3専門っていうタイプの馬でしたからね。その馬に3馬身つけて勝ったからといってどうだっていうのはある。そもそも最近はキングジョージは避けられますよね。

 あぁ、キングジョージも12ハロンのレースですよね。日本でいえば3000m扱いですか。

 そうですね。私が競馬を始めたころはキングジョージっていうのは凱旋門賞と同じくらい価値があったんですけど、今はだいぶ凋落しているというか。

 レースレベルが疑問と。札幌記念の方がキングジョージよりも格上ですか(笑)。

 タグルータはイギリスの馬。凱旋門賞がフランス馬に圧倒的有利な点もどうでしょうね。

 アヴニールセルタン(※血統表)も母父にダルシャーンの血が入っています。

 母父のマークオブエスティームは日本ではダノンシャンティ(NHKマイルC勝ち馬)が同じ母父です。距離的にどうかという不安もあるんですが、鮮やかな配合ですよ。

 どのあたりが?

 父父母のダンスールファビュルーと母父母父のAjdalというのが4分の3同血のクロスです。その他にもドイツ血統でスタミナ、ミスプロ系でスピードを補強していて、これは良い配合。あとは2400mの距離がどうか、というところです。

 この4分の3同血クロスってのは、何が良いんですか?

 ダンスールファビュルー、Ajdalというのは世界屈指の名牝系で影響力が物凄く強い。名牝の牝馬クロスは名馬を作る上で重要です。ダンスールファビュルーの母母、Ajdalの母にあたるNative Partnerは日本でも3代母としてダンスインザダークを出しています。古いところで言うとジムフレンチも同牝系です。

 父Le Havreはレッドゴッド系、ラーイの系統です。

 仏ダービー馬でこれが初年度産駒です。ドイツ血統も入っているんですよね。凱旋門賞はドイツ血統の入っている馬が来ますからね。Le Havreの父Noverreというのは名馬アラジ(ブリーダーズCジュヴェナイルなどG1を4勝)の4分の3弟です。

 この馬は、凱旋門賞が初距離です。昨年はアンテロが凱旋門賞で初の2400mで3着でした。アンテロもフランス馬でしたが、アヴニールセルタンもフランス馬。これは有利じゃないですか?

 そうですね。フランス馬は輸送の面でのアドバンテージは大きいでしょうね

 続いてはエクトです(※血統表)。これは父ハリケーンランだからモンジューの系統か。モンジューっていうのも一発当たるとデカイというタイプですよね。ボクはガリレオが安定A、実績Aのディープインパクトタイプ。モンジューが安定C実績Aのステイゴールドタイプと言ってるんですが。

 そうですね。サドラーズウェルズの2大後継種牡馬はモンジューとガリレオなんですけど、モンジューは長距離型。

 去年勝ったトレヴ(※血統表)が父の父モンジューです。凱旋門賞向きなのはガリレオよりモンジューですか? 日本の有馬記念や宝塚記念がディープよりもステイゴールドに向くような感じで。

 ガリレオも1600~2400mが守備範囲で、距離適性がないというわけではないんですけど、いまのところ凱旋門賞の実績はないんですよ。ハリケーンランは母父がドイツ血統Surumu。ハリケーンランとモンジューはどちらも凱旋門賞馬です。

 3歳馬で血統もぴったり。そしてフランスの馬。この馬が本命ですか?

 前走ニエル賞を勝って、休みを挟んで2歳時から6連勝。タイムも同じ日に同コースで行わたヴェルメイユ賞、フォア賞と比較して一番速かったんですよ。

 ローテーション的にも2走前までは1600mまでしか走っていない馬でしたから、いきなり大幅な距離延長に対応してる。強いですね。

 ただ休み明けで走りすぎた。という心配もあるんですけどね。凱旋門賞を叩き2戦目で勝った例はあまりありません。

 確かに2走ボケの懸念もありますよね。日本でもこういうローテーションの馬は買いづらいもんなぁ。

 2回ぐらい叩いてればね。7月ぐらいに復帰して、ということなら良いんですが、直前に復帰して勝って本番で人気というのは日本の競馬にあてはめても、馬券的にはあまり買いたくないですよ。

 モンジューとドイツ血統を持つ馬は他にいますか?

 ドイツのアイヴァンホー(※血統表)はモロにそういう血統です。私はこの馬を狙っています。

 狙ってるって(笑)。凱旋門賞に何をしにいくんですか(笑)。

 馬券で儲けにいくに決まってるじゃないですか(笑)。日本馬が勝ったら勝ったで歴史的瞬間には立ち会えますから。馬券には狙いたい馬です。

 父はインザウイングスの系統ですか。サドラーズウェルズ系のローカルタイプ。日本でいえば、ミスキャストとかヤマニンセラフィムみたいなローカルサンデー系かな(笑)。凱旋門賞も日本の天皇賞春みたく、サドラーズウェルズやディンヒル系のなかではローカルタイプの種牡馬が走っているんですよね。このレースに関しては向いたタイプかな。そして、母系にはクリス、ゼダーン、ブラッシンググルームと凱旋門賞に実績がある血統です。

 はい。母系は重厚なドイツ血統ですね。底力のある血が入って、いかにも晩成血統。

 戦歴評価はどうでしょう。

 前走はバーデン大賞でシーザムーンを負かしています。このレースはシーザムーンが凡走したというとらえ方が大半ですが、私はアイヴァンホーが強かったと思うんですけどね。バーデン大賞を3馬身差で勝ったなら、凱旋門賞でも勝負になりますよ。晩成型がここにきてグーッと伸びてきたところ。

 ただ、アイヴァンホーはドイツ馬。輸送の面ではフランス馬はより不利じゃないですか?

 それはあります。最近ではデインドリームがドイツ馬でした。過去にはスターアピールという馬が勝っています。

 他にチャンスのある外国馬はいますかね?

 今年はここまでに挙げたタグルーダ、アヴニールセルタン、エクト、アイヴァンホーの4頭ぐらいじゃないですかね。英セントレジャーを勝ったキングストンヒル(※血統表)もいますが、ちょっと足りないと思うんですけどね。

 父がデインヒルの系統か。結局みんな似たような血統なんですねぇ。日本のダービーがサンデーの血を持つ馬ばっかりになるみたいに、どの馬もサドラーズウェルズかデインヒルを持ってる。ヨーロッパでノーザンダンサー系っていう括りは、サンデー系を日本でターントゥ系と呼ぶぐらい大きすぎる括りですね。

 向こうではもうサドラーズウェルズ系とかダンチヒ系でもククリが大きすぎますよ。

 ボクはサンデー系を独自の5タイプに分けているんですが、ヨーロッパでもサドラーズウェルズやデインヒルは、さらにタイプ分する必要がありそうですね。

 そうですね。キングストンヒルの父マスタークラフツマンというのは、今年の3歳が初年度なんですが、他にも今年の仏ダービー勝ち馬で愛チャンピオンSでは英ダービー馬のオーストラリアを破ったザグレイギャッツビーも出していて、注目を集めている種牡馬です。

 距離は保つ種牡馬なんですか? 欧州2400mでどんと来い。といったスタミナは感じない血統構成ですが。

 マスタークラフツマンの現役時代はマイラーでした。産駒のザグレイギャッツビーはイギリスの馬なんですが、英ダービーの2400mだと長いという鞍上ムーアの進言で2100mの仏ダービーに出て、それが功を奏して勝っていますからね。その後、2400mに距離を延ばしてパリ大賞典に出たんですが6着に負けたので、その後は適距離に戻してインターナショナルSで2着、愛チャンピオンSで1着。2000m向きの馬です。キングストンヒルは長距離のセントレジャーを勝ちましたけどね。

 スタミナの源は血統的にどこにありますかね。

 レインボウクエストが入っているのが大きいでしょうね。

 キングストンヒルもイギリス馬です。

 今回が初めての輸送になりますから普段の力を出せない可能性もあるんですよね。

 さて日本馬です。もはや、どの馬が合う、合わないじゃないと思うんですよ。そりゃ、フランスの馬より不利なのは当たり前。血統適性がドンピシャにはならないのも当たり前。それでも、ちょっと運が向いた馬なら、実力の違いで勝つ。日本のトップはそういうレベルに到達していると思います。

 ハープスター(※血統表)は母がファルブラヴにトニービン。トニービンは凱旋門賞馬。ファルブラヴだって父フェアリーキングがサドラーズウェルズの全弟、産駒のエリシオが凱旋門賞を勝っている。ジャスタウェイ(※血統表)も父がハーツクライ。自身もキングジョージを好走していて、母父は前述したトニービン。ハーツクライは母系がスプリンターでも距離は保ちますものね。

 ハーツクライ産駒で2400mが保たないってことはないはずですし、大丈夫だと思うんですが。母母のシャロンもアメリカの長めの距離で実績がありましたからね。

 兄弟はタガノシビルとスカイノダン。どっちも芝短距離しか実績がないですが、タガノシビルが父フジキセキ、スカイノダンは父サクラバクシンオーですから参考にならないですよね。近親だとトーヨーレインボーがいます。トーヨーレインボーは父デピュティミニスターで芝2000mを走ったんだから、父ハーツクライなら距離は問題なさそうですね。

 馬場次第だと思いますよ。ドロドロの馬場になったりしたら厳しいと思いますが。

 ただ、ヨーロッパの硬い馬場と、日本の馬場はまた違いますよね。

 これまでに凱旋門賞で日本馬が走ったのは、逆に馬場が悪い時なんですよ。

 そうなんですね。日本の芝はカタいから時計が出ると勘違いしている人もいますが、芝の軟らかさ自体はヨーロッパ並なんですよ。時計が日本に近ければ、日本馬が走るわけでもないんでしょうね。だって、アメリカのダートなんてタイムは出るけど、日本の芝馬じゃ通用しないですもの。ということで、ヨーロッパの芝もあまりカチカチだと日本馬には合わないかもしれないですね。

 水を撒くとは思いますが。

 あとは、ペースですが。

 今年のメンバーをみるとペースが落ち着きそうですが、そうなると去年みたいに上がり勝負になるじゃないですか。そうなるとハープスターとジャスタウェイが抜けだしてくる感じはしますよね。

 ゴールドシップ(※血統表)は、今回逃げるかもしれないですね。逃げれば、同じステイゴールド産駒で宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタでもあれだけ頑張れるんですから。

 ナカヤマフェスタを基準で考えると、どの馬も勝つことになります。

 ナカヤマフェスタは日本の競馬より、凱旋門賞の方が向いていたんでしょう。ようするに、日本のGIIで勝負できる馬なら、適性次第で凱旋門賞に勝てしまうんです。ま、そんなことは皆さん百も承知で、今や運が向くのを待っているだけの状態なんですよね。それにしても、どうして凱旋門賞は日本人にこんなに憧れられるんですかね? 女性がバーキン欲しいみたいな感じですか?

 日本馬が凱旋門賞を目指すのは、憧れもあるでしょうが、賞金も大きいんじゃないでしょうか。今年の1着賞金は約4億ですから。

 日本の賞金は、馬券を買ったファンが出してますが、フランスは違いますよね。スポンサーが賞金を出している。どこがスポンサーについてるんですか?

 カタールです。カタールは今、勢いがあります。去年勝ったトレヴも直前でカタールの王族にトレードされましたからね。今年も有力馬を買い漁っていて今年の出走馬ではエクト、ルーラーオブザワールド(※血統表)をトレードで買っています。3頭出しになります。

 自分達で1着賞金を出して、自分達が賞金をもらう。「俺の馬に勝ったら、おまえらに賞金をやるよ!」ってノリだ。 それが本来の競馬なんですけどね。もともと、競馬は、金の使い所に困った貴族同士の娯楽だもんなぁ。馬券というのは、貴族の遊びを横で見ていた庶民が始めたもので。馬券が盛り上がって、ファンがレースのスポンサーになってる日本の方が、競馬本来の姿からすると特殊なんですよ。独自の発展を遂げたと言ってもいい。ただ、ボクはそんな特殊な形で作り上げた日本競馬こそ世界に誇るべきじゃないかと。

 ということで、これからも世界最高レベルの馬を日本からドンドン出すために、日本の馬券をバンバン買いましょう。ボクも毎年、1レースの1着賞金ぐらいはJRAに提供してますから(笑)。

 ところで、今年の凱旋門賞もカタール王族がトレードで勝った馬が複数出走します。昔、日本でもオグリキャップがトレードされた話は有名ですが。海外では大金持ちが、トレードで馬を買うのが主流じゃないですか。こうやって海外の大レースで日本の馬が勝ち負けするようになると、当然日本馬にもトレードのオファーが来るんじゃないですか?

 去年は日本馬にもオファーがあったらしいですよ。「○億でどうだ」とか。断ったそうです。

 漢だなぁ。○○さん。見直しましたよ。自分の馬が競馬雑誌でけなされたら、編集者を恫喝して泣かすのも、愛馬への熱い思いからなんですね。でも、もし売却した馬が凱旋門賞勝ったら、どういう扱いになるんだろう? 日本馬が制したことになるんですか? まぁ、そんなの気にせず気分で盛り上がればいいんでしょうけど。だいたい、競馬に日本代表とかないもんなぁ。

 それより、日本の馬が注目されると、自分がハープスターのような一口馬主だったとして、「あなたの一口を3000万円で売ってください」みたいになることはありますよね。どうします?

 どうかなー。その時の家庭の事情で考えます(笑)

 仮定の話ですしね。

 (笑)

 一口馬主って、馬券の控除率に換算すれば50%以上に相当します。明らかに率が悪い。しかも厳密には、一口馬主は、馬主としてJRAには認定されていない。海外じゃありえない話ですよ。好きな馬ができたら、馬券を買う。という娯楽が、個人的には競馬を愛する庶民には最もコストパフォーマンスが高くて健全じゃないでしょうか。それでも、馬券ではなく、一口馬主に出資するのは、馬券以上に「夢を買ってる」わけですよね。その夢を大富豪から売ってくれ。と言われたらどうするか。まぁ、ボクは売りますけど(笑)。

 一口馬が世界の大富豪に売ってくれと言われる話は、海外のレースで当たり前のように勝つようになれば、ありえますよね。

 海外のレースを数使えば、日本の馬はどんどん勝ちますよ。まずは、今年の凱旋門賞、ですね。

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